読みやすい文章を書く、ちょっとしたコツ

 

こんにちは。
デザイナーのヒロシです。

 

メールやプレゼン資料・オウンドメディア記事の作成など、文章作成は日々の業務に付いてまわるもの。少しでも分かりやすい文章を書きたいものですが、苦手意識を感じる方も多いのではないでしょうか。

 

日本語ってムズカシイ。
かくいう私もそのひとり。

苦手意識をなくすために、今回、このような本を手に取ってみました。

 


新装版 日本語の作文技術 本多勝一(著)

 

文章作成やライティングなどのキーワードで本を探したりしていると「読まれるため」の方法はよく見受けられます。以下のような感じ。

 

・読み手を意識した主題や構成を考える
・語彙力を豊富にして表現方法を高める
・ブログ記事ならばキーワード選別(SEO対策)etc…

 

それはわかってるんですよね!
私が知りたいのは文をどう書くのか?
どう言葉を回したらいいのかが知りたいんです!

 

なんて時にこちらの本が参考になります。
厳密に言うと、文章の作り方ではなく分かりやすい文の作り方、いわゆる作文の技術になるみたいです。
本記事では、こちらの本から、すぐに使えて効果がありそうなトピックスをひとつご紹介しています。

 

多くの人に読まれる文章を書きたい!記事のPVを上げたい!という方は、他の記事をお探しくださいw

 

かかる言葉と受ける言葉をなるべく近づける

 

当たり前のことなんですけどね。でも、普段から意識してますか?

たったこれだけを意識するだけで見違えるように文章が分かりやすくなります!

例えばこちらの一文。

 

【1. 入れ子のケース】

 

私は小林が中村が鈴木が死んだ現場にいたと証言したのかと思った。(P.42)

 

極端な例です。一読しただけでは分かりませんね。はい。でも文法的には間違っていません。

「私は…思った」の間に、修飾語・被修飾関係にある言葉が何重もの入れ子になっています。

この文を、一切の言葉に変更を加えず、機械的に位置を変えるだけで分かりやすくすることができます。

 

 

このようにかかる言葉(修飾語)と受ける言葉(被修飾語)を近づけることでぐっとわかりやすくなります。

 

【2. かかる言葉があいまいのケース】

 

とても美人だとは言えない(P.40)

 

第一感としては特に問題のなさそうな文ですが。。。

 

これは「到底、美人であるとは言えたものではない」の意味と「非常に美人だ、とは言えない」の二つの意味に捉えることができてしまい、文法的にあいまいさが見受けられます。
もし文を直すなら、「非常に」の意味であると捉えて(普通に考えると、「到底」の意味であればこのような文にはなりにくい)…

 

美人だとはとても言えない(P.40)

 

「とても」を「言えない」と近づければ明瞭な文になります。

 

このように、文章を読んでいて一読しても分かりにくい、なんだか引っかかるという場合の多くは修飾語と被修飾語のいち関係が問題だったりします。

 

【3. 複合の場合】

 

二日未明、東京都三鷹市のマンションで、部屋に充満していたプロパンガスが爆発して四人が重傷、三十二人が飛び散ったガラスの破片などで一〜二週間のけがをした。(『朝日新聞』1974年10月2日 夕刊9ページ)| (P.45)

 

特別わかりにくい文ではありませんが、それでも「三十二人が飛び散った…」のところは一瞬引っかかりがあります。まるで人間が飛び散ったかのように捉えることもできる。「三十二人」が実は「一〜二週間のけがをした」にかかっていることを理解するのには、瞬間にせよ途中で読みかえす必要があります。

 

これを抵抗なく読めるようにするために修飾語の位置関係を調整してみます。

 

…四人が重傷、飛び散ったガラスの破片などで三十二人が一〜二週間のけがをした。 (P.45)

 

としてみました。しかし、「一〜二週間のけが」をした人はガラスの破片によるものですが、重傷の四人は何によるものかは明確になっていません。爆風とも考えられますが、「ガラスの破片など」というのだから、「ガラスの破片などで」は重傷者も修飾すべきと考えます。

 

…プロパンガスが爆発して、飛び散ったガラスの破片などで四人が重傷、三十二人が一〜二週間のけがをした。 (P.46)

 

いかがでしょうか?かかる言葉と受ける言葉の位置で読みやすさや受け取る意味の明瞭さが変わることが理解いただけたかと思います。

 

 

 

新聞の社会面トップ記事でもこのようなことがあります(文字制限の関係もあるかと思いますが。。)。ちょっとしたことで随分と分かりやすさが変わってくるので、文章を作成する際、読む際にも十分気をつけていきたいですね。

 

今回、紹介しました「日本語の作文技術」では、修飾語の位置以外にも「テニヲハ」の使い方など、明確な作文技法やルールが述べられていますので、文章作成に苦手意識のある方はご一読してみてはどうでしょうか。

 

また機会があれば、修飾する順番や句読点の打ち方など紹介したいと思います。

 

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