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SolrとZeppelinを連携させる

はじめに

Apache Zeppelin というウェブベースのノートブックプロダクトがあります。
ノートブックとはブラウザ上で動作する、対話型のプログラム実行環境で、プログラムやその実行結果、説明のテキストなどを同一のページ上で保存・管理するためのものです。試行錯誤の過程をそのまま記録として残すことができるので、データ分析でよく利用されます。
有名なノートブックとして Jupyter Notebook があります。

Zeppelin は Spark や各種 RDBMS など、様々なデータソースやインタープリタと連携させることができます。Solr との連携も可能です。

Zeppelin インストール

https://zeppelin.apache.org/docs/latest/quickstart/install.html
からダウンロードして展開後、以下を実行。

$ ./install-interpreter.sh --name solr --artifact com.lucidworks.zeppelin:zeppelin-solr:0.1.6
Install solr(com.lucidworks.zeppelin:zeppelin-solr:0.1.6) to /home/splout/zeppelin-0.10.1-bin-all/interpreter/solr ...
Interpreter solr installed under /home/splout/zeppelin-0.10.1-bin-all/interpreter/solr.

1. Restart Zeppelin
2. Create interpreter setting in 'Interpreter' menu on Zeppelin GUI
3. Then you can bind the interpreter on your note

Zeppelin 起動

$ ./zeppelin-daemon.sh start

Solr との連携を設定

  1. http://localhost:8080/ にアクセスしてメニュー「Interpreter」を開く。
  2. Solr の Properties を設定する
    • solr.baseUrl, solr.collection, jdbc.url, jdbc.driver
  3. 「Create New Note」で新しいノートブックを開く
    • Default Interpreter を solr にする

実行例

以降の操作対象をコレクション test1 にする

use test1

全件検索

search q=*:*&fl=area,name,address,type,address_p

検索対象のコレクションを実行時に指定することもできる

search(test1,q=area_str:中央区,fl="name_str,area_str,address_str,type_str,address_p",rows=100)

[Solr] Streaming Expressios と Math Expressions 利用例のページが充実している

Solr はそもそもは検索エンジン・検索サーバですが、Streaming Expressios や Math Expressions という機能を組み合わせることで、データサイエンスのツールとしても使えます。

公式サイトResoucesのページの Documentation の項に Visual Guide to Streaming Expressions and Math Expressions というリンクがあり、そこで数多くの利用例を見ることができます。

目次はこんな感じです。

  • Visualizations
  • Getting Started
  • Data Loading
  • Searching, Sampling and Aggregation
  • Transforming Data
  • Scalar Math
  • Vector Math
  • Variables and Vectorization
  • Matrix Math
  • Text Analysis and Term Vectors
  • Probability
  • Statistics
  • Linear Regression
  • Curve Fitting
  • Time Series
  • Interpolation and Numerical Calculus
  • Signal Processing
  • Simulations
  • Machine Learning
  • Computational Geometry

たとえばこんな感じで、データ分析の各手法とその利用例がずらっと並んでいます。 Visual Guide となっているだけあって、データの可視化にも力が入っています。

Stream Expression には前から興味はあったのですが、このページを取っ掛かりにして勉強してみようと思います。

Solr 9 での追加モジュールの指定方法

従来、Solr の追加モジュールの位置づけにあるものは contrib 配下にありました。

$ ls solr-8.11.1/contrib/
analysis-extras    dataimporthandler-extras  gcs-repository             langid  prometheus-exporter  velocity
dataimporthandler  extraction                jaegertracer-configurator  ltr     s3-repository

Solr 9 では modules という名前に変更されました。

$ ls solr-9.0.0/modules/
analysis-extras  clustering  gcs-repository  hdfs                       jwt-auth  ltr            scripting
analytics        extraction  hadoop-auth     jaegertracer-configurator  langid    s3-repository  sql

いくつか新しいモジュールも増えています。

モジュールを追加して起動する方法も新しくなっています。従来は solrconfig.xml に lib ディレクティブで jar ファイルを指定する必要がありましたが、Solr 9 では solr.in.sh 内で環境変数 SOLR_MODULES に必要なモジュール名を書くだけでよくなっています。

SOLR_MODULES=sql

Solr 9 の Admin UI には SQL エディタが追加されていますが、デフォルトの設定では sql モジュールが動いていないようで SQL を使ったクエリを実行すると Error loading class ‘solr.SQLHandler’ となってしまいます。

そこで上記のように環境変数で SOLR_MODULES=sql を指定して solr を起動し直すと問題なく SQL エディタが動作します。

このあたりの設定の簡便化は非常にありがたいものですね。

SolrをPHPで使う(更新編)

前回の検索編に引き続き、今回はPHPでSolrのインデックスを更新する方法です。

更新リクエストを表すクラスは用意されていないので、XML文字列で直接更新リクエストを記述します。 commit() を実行しないとその場では反映されないので注意。

実行結果は以下の通りです。
正しくドキュメントが追加されていることが分かります。

$ php example_solr_php_update1.php 
{
  "responseHeader":{
    "rf":1,
    "status":0,
    "QTime":3}}

{
  "responseHeader":{
    "zkConnected":true,
    "status":0,
    "QTime":2,
    "params":{
      "q":"id:PHPUpdateTest",
      "indent":"on",
      "version":"2.2",
      "wt":"json"}},
  "response":{"numFound":1,"start":0,"numFoundExact":true,"docs":[
      {
        "id":"PHPUpdateTest",
        "name":"PHPからの更新テスト",
        "manu":"splout",
        "cat":["software",
          "search"],
        "features":["テストです。",
          "説明です。"],
        "price":1.0,
        "price_c":"1.0,USD",
        "inStock":true,
        "_version_":1734261680380051456,
        "price_c____l_ns":100}]
  }}

Solr 9をビルドする

はじめに

Solr 9 になって ant, ivy によるビルドから Gradle によるビルドに変わりました。
ソースパッケージに付属の README の手順通りではありますが、一通り手順を確認したのでまとめてみます。

JDKのバージョン

OpenJDK 11 以降が要求されています。

ソースコードの取得

ソースパッケージをダウンロードするか、git clone するかします。

$ git clone https://github.com/apache/solr.git

ビルド

ソースパッケージをダウンロードして展開したら、以下を実行します。

$ ./gradlew assemble

予め Gradle をインストールしておく必要は無く、gradlew スクリプトが必要なバージョンの Gradle をダウンロードして設定した上で実行してくれます。

ビルドが完了すると、成果物は solr/packaging/build/solr-9.0.0-SNAPSHOT 以下に作られます(solr-9.0.0-srcの場合)。 また、配布ようにパッケージングされたファイルが
solr/packaging/build/distributions/solr-9.0.0-SNAPSHOT.tgz に作られます。

起動

ここまで来ればいつも通りの solr コマンドで起動できます。

$ cd solr/packaging/build/solr-9.0.0-SNAPSHOT
$ bin/solr start -c