「ひとり広報の戦略書」を読んでみた

ひとり広報の戦略書

ここ最近、部署間の異動で広報業務を兼務するようになりました。簡単に言うならプレスリリースやメルマガなどを作成する訳なんですが、なにせ初めて携わる種類の業務なので、

  • そもそも広報って何?何をやって、どうなったら成功なの?
  • 一人でやるものなの?チームでやるとかあるんじゃないの?

と言った素朴な疑問が浮かびます。

どんなことでも基礎的な型や手法が確立されているものですし、それを学ぶことでその分野の全体像がなんとなくわかったり、成長までの道筋やどのような考え方で取り組めばいいのかがわかります。ただ闇雲に進むのではなく、何か道しるべが欲しい。そこで手に取ってみたのがこの書籍。

ひとり広報の戦略書 – 認知と人気を全国レベルにする「知ってもらえる」すごい方法 –
小野茜 (著)

著者の小野茜さんは、企業で5年間広報を担当しPR支援会社を設立。現在は、企業の外側から「広報」をサポートする仕事をされていて、実際に30社以上の様々な企業で広報業務をサポートされてらっしゃるそうです。広報とはなんぞやというエピソードやノウハウが詰まっていて大変勉強になりました。


この記事では、本書で私が気になった箇所や良かったところをピックアップしてみましたので、同じような境遇でお困りの方に届けばいいなと思います。

広報業務を取り巻く状況

まずこの書籍を読んでみてわかったことが「広報をひとりや少人数でやっている企業が大半」ということ。著者が様々な企業に入って広報業務のサポートをされてるからこそ見えてくることですし、様々な企業の広報担当が悪戦苦闘している状況があるから、こんなタイトルで刊行することになったんだろうなと思います。

更には、以下のような悩みを抱えている方が多いようで、私ひとりじゃないんだなと少し安心しました。

  • ひとりや少人数でやっている企業が大半
  • 基本的な業務はプレスリリース
  • 片手間でやっているため忙しくてリリース配信を思うように回せていない。もしくはリリースを配信するのが精一杯
  • リリースを出しているが反応がない、成功しているかわからない

ひとり広報を取り巻く状況は厳しいですが、メディアの多様化・細分化により、テレビや新聞などのマスメディア活用は限定的になった昨今、様々なネタやコンテンツが求められていたり、地方の小さな企業のニッチなネタでもメディアに取り上げられることも多く、著者は「広報活動をする上でベストな時代」であると言います。ひとりであることは逆に強みでもあると。

では、ひとり広報にはどんな強みがあるのでしょうか?

広報業務をひとりでやるメリットとデメリット

ひとり広報のメリット

  • 複数人や大人数から成る広報チームの場合、分業制になり、プレスリリースのテーマを決めるのも、企画書を書くにも、確認や承認やコンセンサスが必要になる
  • ひとりでやれば柔軟性の高さを担保できて、トライ&エラーのPDCAを速く回せる
  • 刹那的な話題が一気に注目を集めるような時代では、承認が必要な組織では対応がどうしても遅くなるが、ひとり広報であれば、意思決定のスピードは高まる
  • 上司や経営者に対してひとり広報の良さを理解してもらい、ある程度自由な裁量をもらえることが大切にはなる

ひとり広報のデメリットは?

「ひとりで全てをやるため、特に片手間で対応している場合も多いと思いますので、業務に追われて成果がでない」やはりここが最大の壁のようです。そのためにはどうすればいいのか?

  • やらないことを決める
  • 何をどこまで何時間でやるか
  • 時間配分は3:6:1 (3情報の整理と価値化:6社外への伝達:1社内への伝達)

要するに実行するタスクを見極めて質より量で回すことしかなさそうではあります。
目安としては、最低でも週に1本計算で月4本配信できていれば積極的な広報活動が行えているようです。

広報の本当のあり方とは

広告が「対ユーザーに対して購買につながる」が最重要な目的であることに対して、広報=PR(Public Relations)は社会とのつながり(関係性)をつくることが目指すべきものであると言います。「対ユーザーに対して購買につながる」だけでなく、「対メディアに対して取材につながるネタを提供」して関係作りも狙えることは素敵なお仕事だなと思いました。

一番大切なことは「自社にとって必要な広報活動を見つけ出し、実践する」ではありますが、PRの本質として関係を作るためには、情報を伝達するだけでなく、面白いプレスを打つことで社内外に魅力を伝えることも重要な要素だそうです。

だからこそインプットが大切だと。目と耳の両方で、ツールを駆使してインプットの時間を作る。あらゆることに「なぜ」「どうして?」と、ちょっとした情報でも背後に何が起きているのかを意識する。そういった積み重ねで時代の流れを掴むことができるのかもしれないです。

そういえば最近、雑誌の「meets」 で焼肉の特集が組まれてました。これも何か意図や流れがあるかもしれませんね。

終わりに

コロナ以降、費用対効果の高いウェビナーの活用などオンラインでの活動も盛んになってきていて広報業務の裾野は広がっているのではないでしょうか。ひとりで頑張る担当の方々と情報の共有というカタチでつながりができればと思い記事にしてみました。
弊社が提供するWebサービスについてもプレスリリースを定期的に行なっておりますので、興味を持ったメディアやライターの方がいらっしゃればお話させていただければ幸いです。


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