デザインする時に一瞬思い出して欲しい、色のユニバーサルデザイン

こんにちは。新卒デザイナーのはなです。

社会人になってもう三ヶ月以上経ちますが相変わらず朝は眠いです。

 

 

ところでみなさん小学生の時は視力検査と一緒に色覚の検査は行われていましたか?

これは色が正常に見えているかどうかを検査するものですが、日本では2003年に廃止になりました。

小学4年生を対象に行われていたそうです。

私は2003年に小4になったので色覚検査未受診の第一号になります。

(最近になって、希望者は色覚検査の受診ができるようになったそうです)

 

 

 

色覚異常者はどれぐらいいるの?

 

色覚”異常”と聞くと、何百人に一人とか、何千人に一人とかそういうイメージを持ってしまいがちですが、日本人の男性の場合20人に一人、女性で500人に一人が色覚異常を持っていると言われています。

色覚異常の中で特に多い赤緑色覚の異常に関する遺伝子がX遺伝子に乗っているため、女性は異常のある遺伝子を持っていても発現しにくく、男性は異常のある遺伝子を持っていると必ず発現します。

(X遺伝子って何?という方は生物の教科書を読んでください)

男女で大きく色覚異常者の数が異なるのはこのためです。

 

それにしても20人に一人って結構な確率ですよね。

1クラスに男子が20人在籍していれば一人は色覚異常者がいることになりますね。

 

これだけの高い割合の色覚異常者がいるにもかかわらず、案外忘れがちになってしまうのが色のユニバーサルデザインのことです。

その制作物は色という観点に置いて誰が見てもわかりやすいものになっているでしょうか?

 

 

 

具体的にどういった配慮が必要なの?

 

色覚異常にも様々な種類がありますが、ここでは主に一番数が多いと言われている赤緑色覚異常を例にとってお話しします。

 

赤緑色覚異常とは、その名の通り赤色緑色を感受する視物質に異常が発生している状態です。

赤色と緑色の区別がつきにくく、どちらの色も茶色やグレーっぽく見えるそうです。

また、オレンジと黄緑、青と紫、黄緑と黄色なども見分けにくいと言われています。

 

とはいえ、日常生活を送ることにおいてはほとんど支障はなく、一部の職を除き業務に大きく支障が出ることはありません。

 

ですが、もし以下のような機械が仕事場に導入された場合はどうなるのでしょうか?

 

「ランプの光がからに変わったら、赤いボタンを押してください」

どのボタンを押せばいいんや?

 

この機械のシステムだと、ボタンを押すタイミングと、どのボタンを押すかということを色のみで知覚し、判断しなくてはいけません。

色覚健常者であればなんの問題もありませんが、赤緑色覚異常の人にとっては困ったことになってしまいます。

 

 

もし以下のような配慮がされていたらどうでしょうか。

「ランプがに変わりGOと出たらRという赤いボタンを押してください」

色彩異常の人でも機械を使うことができますね。解決!

最初の機械と違い、色のみで判断しなければならない状況を避けました。

色覚健常者にとっても、よりわかりやすくなったと思います。

 

 

 

まとめ

 

赤緑色覚異常を例にとって紹介しましたが、基本的に色のユニバーサルデザイン全般において気をつけなければならないことはとてもシンプルです。

・二つの色を並べて配置する際は明度差を大きくつける、もしくは白や黒を挟んでセパレートする

・色のみで何かを判断しなければならないという状況を極力避ける

 

以上の配慮は、色覚異常者だけではなくお年寄りや子供、そして色覚健常者にとっても、よりわかりやすいデザインを作るために大切なことです。

物を作る時、一瞬でもいいので色のユニバーサルデザインのことを思い出して、今作っているものは大丈夫かな?と振り返ってみてください。

 

あと視物質と色覚の話は掘り下げていくと奥が深くて面白いです!

もし興味がある方はググってみてくださいね〜!


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