カテゴリー: テクノロジー

Solr 8.10 で追加された Schema Designer UI

はじめに

Solr 8.10 で管理画面に Schema Designer UI が追加されました。
https://solr.apache.org/guide/8_10/schema-designer.html

  • ドキュメントのサンプルからスキーマを作ってくれる
  • スキーマをGUIで編集できる
  • 編集中のスキーマの設定でクエリがどんな動きになるか動作確認できる
  • 作ったスキーマに基づいたコレクションを作成できる

と至れり尽くせりです。

使い方

名前を付けて新しいスキーマを作る

スキーマの名前と、元になる設定の名前を与えて新しいスキーマを作成します。

ドキュメントのサンプルを与えてスキーマの設定を生成する

インデックス対象のドキュメントをテキストエリアに貼り付けるか、ファイルを指定するかして与えます。ドキュメントは1個でも解析してスキーマを作ってくれますが、ドキュメントを複数与えておけば、後でクエリの動作を確認するときに色々なパターンを試せます。

今回サンプルとして与えたのは以下のようなドキュメントです。

[
{"id":"10","type":"官公庁","area":"住之江区","name":"軽自動車検査協会大阪主管事務所","address":"住之江区南港東3-4-62","address_p":"34.6164938333333,135.438210722222"},
{"id":"11","type":"官公庁","area":"住之江区","name":"大阪陸運支局なにわ自動車検査登録事務所","address":"住之江区南港東3-1-14","address_p":"34.6190439722222,135.442191833333"},
{"id":"12","type":"官公庁","area":"住吉区","name":"住吉税務署","address":"住吉区住吉2丁目17番37号","address_p":"34.6109641111111,135.491388722222"}
]

生成されたスキーマの画面です。
JSONでフィールド名を与えているのでフィールド名が正しいのは当然として、サンプルの内容を解析してフィールドタイプもそれなりに妥当なものを選んでくれます。
たとえば上のように、緯度経度を値に持つ address_p フィールドに対して location タイプが選ばれています。

スキーマの設定を変更する

設定を変更することもできます。 住所を格納する address フィールドに対して string タイプが選ばれていましたが、ここでは形態素解析をする text_ja フィールドに変更しました。

Analyzer の動作を確認する

形態素解析をするフィールドでどのような解析が行われるか動作確認ができます。

クエリの動作を確認する

現在のスキーマの設定でクエリがどのように動くかを確認できます。

このときクエリの対象となるのが、最初に与えたサンプルドキュメントになります。今回はドキュメントを3件(id が 10, 11, 12)与えたので、全件検索で3件ヒットしています。

area フィールドを対象としたファセットで「住之江区」が2件、「住吉区」が1件となることも分かります。

変更前の設定との差分を確認する

元になった設定(_default)からの、現在の設定の変更点を表示します。

作成したスキーマを利用してコレクションを生成する

生成した設定は Zookeeper のツリー上に保存されますが、この設定を利用して一気にコレクションを生成することもできます。


LUUPしてみた

日々、世の中の状況が変わってきてますが相変わらずのマイペースでいきましょう。
マエダです。

RIDE YOUR CITY – 街じゅうに好きがみつかる-
『LUUP』https://luup.sc/

みなさまご存知でしょうか。
ちょっとの移動がとってもラクになるシェア電動キックボードサービス。
※ TBS系列「がっちりマンデー」で見たやつやん。

大阪市内では東西の移動が徒歩・バス・タクシー以外でちょっとしにくくてレンタサイクルサービスを利用していたんですがついに大阪市内にもLUUPが来てました。

今年の4月にはリリース出てたのに視野の狭い僕はこんな近くに展開されていたなんて全く気づいてませんでした。
https://luup.sc/news/2021-04-02-osaka/


■ 使い方

かんたんなので割愛させていただきます。

注意点としては「LUUP全然使ったことあるぜ!」みたいな顔して意気揚々とQRコードスキャンしたら運転免許証画像アップロードと交通に関するテストを受けてねとあったので、登校前にイチャイチャしながらトークしている高校生カップルを横目に必死におじさんが設定登録をする時間もUXのひとつでしたね。

■ 感想

「チャリでええやん。」いや愛知県出身としては「ケッタでええが。」
と思うところもありますが、自転車と違う都会的な移動手段を選択している自分に酔えます。
おじさんなので年齢的に気恥ずかしさを覚えつつ、たたの移動を『たのしい』ものに変えてくれる。
そんな体験ができました。

一通の道路やちょっと怖くなったら押して徒歩もできるので今度はもっと精神的に余裕をもって街じゅうに好きを見つけてみます。

交通ルールを守って安全にたのしみましょう。


[Solr]更新の際に _route_ パラメータは指定しない方が良い

今回は小ネタです。

SolrCloud でとある検証をしているときに不思議な現象に気付きました。

ドキュメント1を追加
→ 全件検索でドキュメント1がヒットする
→ ドキュメント2を追加
→ 全件検索でドキュメント2だけがヒットする
→ ドキュメント3を追加
→ 全件検索でドキュメント3だけがヒットする
→ …

要するに、新しいドキュメントを追加するとそれ以前のドキュメントが消えるという現象です。

いろいろ試すうちに、あるスクリプトを使って更新した場合にこの現象が発生し、別のスクリプトでは発生しないことが分かりました。2つのスクリプトを比較することで、問題が起こる方では update の際に _route_ パラメータを指定していることが分かりました。

コレクションを CREATE するときに _route_ パラメータを指定していれば update のときに _route_ を指定する必要はありませんが、どのフィールド値でルーティングしているのかが分かりやすいように明示的に _route_ を書いたのが仇となったようです。

ログを見ても _route_ パラメータ有りの場合と無しの場合とで目立った違いは無く、どうしてこうなるのかを調べるにはソースを深く追っかけてみるしかなさそうです。


【Solr】検索結果のグループ化(Collapse and Expand)

以前、グループ検索の手段として Result Grouping を紹介しました。
もう一つの手段として Collapse and Expand があります。 Collapse を辞書で引くと「つぶれる」とか「崩れる」とか出てきて少しイメージのしにくい言葉ですが、たとえばファイルビューアで言うと

↓これが Collapse している状態

↓これが Expand している状態

と捉えると分かりやすいかと思います。

Solr における検索結果の Collapse とは特定のフィールドの値に基づいて検索結果をグループ分けし、各グループの代表ドキュメントを出力することであり、Expand とは Collapse で作られた各グループに属するドキュメントを選択して出力することです。

Collapsing は CollapsingQParser で実装されており、フィルタクエリで指定します。以下は大阪の施設情報を施設タイプ(typeフィールド)でグルーピングするクエリ例です。

$ curl http://localhost:8983/solr/osaka_shisetsu/select -d 'q=*:*&rows=3&omitHeader=true&fq={!collapse field=type}'
{
  "response":{"numFound":13,"start":0,"numFoundExact":true,"docs":[
      {
        "id":"10",
        "type":"官公庁",
        "area":"住之江区",
        "name":"軽自動車検査協会大阪主管事務所",
        "address":["住之江区南港東3-4-62"],
        "address_p":"34.6164938333333,135.438210722222",
        "_version_":1695487381634809856},
      {
        "id":"311",
        "type":"学校・保育所",
        "area":"住之江区",
        "name":"大和幼稚園",
        "address":["大阪市住之江区北島3-3-11"],
        "address_p":"34.6013536388888,135.478355305555",
        "_version_":1695487381872836611},
      {
        "id":"1356",
        "type":"公園・スポーツ",
        "area":"住之江区",
        "name":"住之江公園プール",
        "address":["住之江区南加賀屋1住之江公園内"],
        "address_p":"34.6118221111111,135.473814305555",
        "_version_":1695487382023831552}]
  }}

各グループ5件ずつのドキュメントが欲しい、といった場合には expand=true を指定します。以下は、typeフィールドでグループ化して、各グループ2件ずつのドキュメントを取得するクエリ例です。

$ curl --user solr:SolrRocks http://localhost:8983/solr/osaka_shisetsu/select -d 'q=*:*&rows=3&omitHeader=true&fq={!collapse field=type}&expand=true&expand.rows=2'
{
  "response":{"numFound":13,"start":0,"numFoundExact":true,"docs":[
      {
        "id":"10",
        "type":"官公庁",
        "area":"住之江区",
        "name":"軽自動車検査協会大阪主管事務所",
        "address":["住之江区南港東3-4-62"],
        "address_p":"34.6164938333333,135.438210722222",
        "_version_":1695487381634809856},
      {
        "id":"311",
        "type":"学校・保育所",
        "area":"住之江区",
        "name":"大和幼稚園",
        "address":["大阪市住之江区北島3-3-11"],
        "address_p":"34.6013536388888,135.478355305555",
        "_version_":1695487381872836611},
      {
        "id":"1356",
        "type":"公園・スポーツ",
        "area":"住之江区",
        "name":"住之江公園プール",
        "address":["住之江区南加賀屋1住之江公園内"],
        "address_p":"34.6118221111111,135.473814305555",
        "_version_":1695487382023831552}]
  },
  "expanded":{
    "公園・スポーツ":{"numFound":1089,"start":0,"numFoundExact":true,"docs":[
        {
          "id":"1357",
          "type":"公園・スポーツ",
          "area":"住之江区",
          "name":"住之江公園野球場",
          "address":["住之江区南加賀屋1住之江公園内"],
          "address_p":"34.6116668611111,135.475586222222",
          "_version_":1695487382023831553},
        {
          "id":"1358",
          "type":"公園・スポーツ",
          "area":"住之江区",
          "name":"住之江公園多目的広場",
          "address":["住之江区南加賀屋1住之江公園内"],
          "address_p":"34.6105608055555,135.475235888888",
          "_version_":1695487382023831554}]
    },
    "学校・保育所":{"numFound":1044,"start":0,"numFoundExact":true,"docs":[
        {
          "id":"312",
          "type":"学校・保育所",
          "area":"住吉区",
          "name":"大阪市立墨江幼稚園",
          "address":["住吉区墨江2丁目3番17号"],
          "address_p":"34.6077390555555,135.496024694444",
          "_version_":1695487381872836612},
        {
          "id":"313",
          "type":"学校・保育所",
          "area":"住之江区",
          "name":"加賀幼稚園",
          "address":["大阪市住之江区中加賀屋4-4-22"],
          "address_p":"34.6140463611111,135.478756833333",
          "_version_":1695487381872836613}]
    },
    "官公庁":{"numFound":300,"start":0,"numFoundExact":true,"docs":[
        {
          "id":"11",
          "type":"官公庁",
          "area":"住之江区",
          "name":"大阪陸運支局なにわ自動車検査登録事務所",
          "address":["住之江区南港東3-1-14"],
          "address_p":"34.6190439722222,135.442191833333",
          "_version_":1695487381820407808},
        {
          "id":"12",
          "type":"官公庁",
          "area":"住吉区",
          "name":"住吉税務署",
          "address":["住吉区住吉2丁目17番37号"],
          "address_p":"34.6109641111111,135.491388722222",
          "_version_":1695487381821456384}]
    }}}

この結果を使えば、まさに先程ファイルビューアの例で示したような検索結果の表示が実現できることが分かります。


SCSSの@importは廃止の問題!@useへの乗り換えについて

SCSSの@importルールが2022年10月頃に廃止予定のようです。

この@importは別sassファイルを読み込む便利なルールため、色んな所で使っていると思います。
廃止されるため@importの代わりに@useを使う必要があります。
@useはカプセル化されているため使う場合はどのファイルから読み込むか指定する(名前空間をつけて呼び出す)必要があります。
今までのようにファイルを読み込むだけでは変数やmixinなどは使えません。
書き変え方は下記のイメージです。
@import を使った場合
@import "base/variable";
@import "module/mixin";

.item {
  color: $baseFontColor;
  @include border;
}

@use を使った場合

@use "base/variable";
@use "module/mixin";

.item {
  color: variable.$baseFontColor;
  @include mixin.border;
}

おおまかな書き換えのイメージは下記になります。

1.@importを@useに書き換えます。

2.読み込んだファイルの使用したい変数やmixinは [ファイル名].[変数名] のように書きます。

@useを使うメリットの一つとして「2つのファイルを読み込んで、同じ変数名だった場合、それぞれ別の変数として使える」というのもあります。

現状@import を使っているところを書き換えるのはなかなか大変だとおもうのですが、@useを使うメリットも色々あるので少しずつ慣れていければと思っています。